くまあつブログ

Daily Archives: 2013年12月10日

ロシアより②

Filed under 熊田あつし

みんなの党から14名の離党者が出て、新党結成に動いている事が報じられています。

私自身も国会に身を置き、昨年似たような行動をしただけに、離党者の大きな流れを
つくりたいという気持ちや、野党再編の必要性は理解できます。しかし、一方で内向き志向、
それも国内ではなく永田町での内向き志向の政治が続いている気がしてなりません。
こんなことを繰り返している場合ではないはずです。

私は今年、アメリカ・ロシアと滞在してきました。この投稿もロシアからです。
外から日本を見てみると、今の日本がいかに危うい状況か、強い危機感を覚えます。

今の不安定な東アジア情勢で、中国や韓国は、まったなしで日本に攻勢をしかけてきています。
国際政治に大きな影響力を持つ米露両国内とも、中国・韓国は、情報発信は強力で、
その存在感は日本をはるかに凌いでいます。

私は、その中でも特に、今後に大きな影響を与える大変重要な要素として、次のふたつが気になりました。

①それぞれの国(日本・中国・韓国)からの留学生の数
②相手国(アメリカ・ロシア)でのそれぞれの国の言葉(日本語・中国語・韓国語)の学習者数

①は、アメリカでは、かつては日本からの留学生がの方が多かったのですが、
日本経済の低迷、中国・韓国経済の伸張という状況の変化にともない、今ではほとんどの大学で、
日本人留学生は、中国人・韓国人留学生より少なく、存在感が希薄になっています。

また、ロシアでは、もともと日本からの留学生は少なく、旧共産圏のつながらりから中国や
ベトナムからの留学生は多かったのでしょうが、今回、自分自身がモスクワの大学で
ロシア語研修を受けながら感じたのは、意外にも韓国からの留学生が目立ったことです。
サムスンやヒュンダイなど韓国企業のロシア進出と並行して増加してきているようです。

留学生の意味をあえて単純化して言います。彼らは、ひとつには最先端の研究に接し、
卒業後その成果を自国に持って帰ります。これはそれぞれの国の技術力の基礎力を引き上げるでしょう。
また、相手国の言葉を習得することで、実際のビジネスや文化交流などの結びつきを強めるでしょう。

さらに、相手国だけではなく世界からの留学生と接することで、相手国を中心に各国の次世代を
担う人たちと人間関係を築き、自国の立場を訴え、また相手の情報を得るパイプを築きます。
このパイプは卒業して終わりではなく、学生時代の友人関係として今後も継続していくでしょう。
これは、政治・経済・報道・文化などで将来各国のリーダーとなっていく人間とのホットラインを持つ事を意味します。

②は、アメリカでもロシアでも、日本語学習者よりも中国語学習者の方がはるかに多いです。
また、どちらの国も韓国語学習者が近年増加し、日本語よりも存在感を示しています。
ロシアでは、韓国語はビジネスや就職に直結する言語として学ばれているのに対し、日本語は
日本文化への共感や憧れから勉強している人が多いという話しを聞ききました。

はっきりした人数を把握してはいませんが、学習者もおそらく韓国語の方が多いだろうと言うことでした。
ロシア人からは、「韓国製品よりも日本製品の方が好きだ」という言葉をよく聞く一方で、
現実としてビジネスでは韓国語を学ぶ。背景には日本企業あるいは日本市場の閉鎖性があるのかも
しれないとの話しも聞きました。

人間関係でもそうですが、自分からの主張だけではなく、相手もこちらを理解してくれる
姿勢があってこそ、相互理解が深まります。特に、言葉が通じない異文化コミュニケーションに
おいては、その姿勢は重要ではないでしょうか。そう考えれば、海外での日本語学習者を
もっと大切にすべきではないでしょうか。

外国語を学ぶということは大変な努力が必要です。
僕も受験勉強の時から英語で相当苦労し続けてます。
そんな苦労する事を、メリットがなかったり、その国が嫌いだったりしたら、やろうとするはずが
ありません。言葉を学ぼうとしてくれる人の数は、そもそも経済や文化を含め、その国を指向している
度合いの指標でもあるはずです。

特に、世界の共通語ともいえる英語以外の言語に関しては、その傾向は顕著でしょう。
日本語、中国語、韓国語は、いわゆる第二外国語の位置にいます。ロシアにおける韓国語は、
まさしくこの経済的な意味を象徴しているのでしょう。

ここにおいても、日本は文化やイメージに頼りながら、しかしその発信すら本気さが感じられません。
例えば経産省のクールジャパンのHPでは、英語はあってもロシア語はありません。
少なくとも、クールジャパンのHPは、国連の公用語版(英語・フランス語・ロシア語・
スペイン語・中国語・アラビア語)くらいはあってもいいのではないでしょうか。
日本の情報に触れることで、より日本を学ぼうという気持ちが湧いてくるはずです。 

世界の情報戦の中心であるアメリカにおいて、尖閣や従軍慰安婦のテーマで完全に中国・韓国の
後塵を拝していることは、単にこのような問題は存在しない、もしくは解決済みだという
日本政府の立場の表れだとの一言でかたずけられるものではありません。
情報発信力の基礎力として、こういった人的交流の深浅の差がその背景にあることを
理解しなければならないのではないでしょうか。

日本の国会が、内向き指向で運営され、政党間の駆け引きで離合集散が繰り返されている間に、
世界は日本不在のまま、それぞれの国益確保のために動いています。にも関わらず、
日本では、政党交付金の関係か、また今年も年末恒例の新党ができようとしている…。

そんな場合ではないはずなのに…。

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