くまあつブログ

小選挙区制度の限界  ~候補者としての所感~

 今回の総選挙で、4回目の出馬となりました。4回とも小選挙区と
比例での重複立候補です。しかし、私は、今回の第46回総選挙は、
これまでの3回とは大きく異なる行動原理で動きました。

 これまでの3回は、「民主党」からの出馬。そして今回は、「日本
未来の党」からの出馬です。行動に与える影響という視点からすれば、
党名はあまり関係ありませんが、党の規模は大きく関係していました。

 それは、これまでの「民主党」での戦いは、政権交代をも意識して
いる野党第一党からの立候補ということを常に意識していたことを意味
します。言い換えれば、小選挙区での勝利を目指しての戦いであり、
二大政党制の下で確実に勝とうと思えば、常に51%以上の得票を目指す
戦いでもあるということです。

 その結果、主張はどうしても丸まってしまい、無難な発言になって
しまいます。活動報告やブログでの発信も、どうしても角が立たない
ように意識したものになってしまっていました。周りの方々からは、
面白みがないとか、何が言いたいかよくわらからないとか、個人の主張
が弱いとか、いろいろと言われました。

 しかし、だからといって少々尖った発言をすると、すぐに別の考えを
持つ人達からの反応がありました。対立候補や対立政党を応援している
人達からの意見に対しては、ある程度割り切って対応し、普通に再反論
もしてきたのですが、こういうプレッシャーにあたるものは、往々にして
応援してくれている側からの反応のほうが迅速かつ強硬でした。

 それに対し、今回の総選挙は「日本未来の党」からの出馬。それこそ
今だから言える発言ですが、小選挙区での勝利は初めから無理だと思って
いました。正直な話し、比例復活狙いです。これは周囲の皆様も口には
出さないけれども、同じ考えだったと思います。しかし、候補者本人が
やる前から選挙区は無理だなんて、口が裂けても言えません。ですから、
選挙中は、みんなわかっていながらも、選挙区勝利目指して頑張るという
ことになっていました。実際に、選挙結果は近畿ブロックで比例2位。
「日本未来の党」が1議席しか確保できなかったので比例次点ということに
終わりましたが、狙い通りの位置につけることができた戦いでした。

 とは言え、得票で見れば、大阪1区の中では、総投票数の10%強。かつての
51%を目指していたという事からすれば無残な数字でしょう。それでも
私自身は、大変に納得のいく選挙戦をさせていただいたと思っています。
比例という制度があるおかげで、51%を目指さなくとも、10~20%の支持を
いただければ、当選できる可能性があったのです。これは、選挙中の私の
意識に大きな影響を与えました。批判されないように無難な主張をする必要は
なくなったのです。これは、単に選挙戦での訴えだけではなく、日々の
行動原理にも影響を与えました。

 すなわち、比例という制度が、中選挙区的な要素を補完しているという
ことなのでしょう。制度論的には、死票の多さや、選挙毎の議席配分の
振れ幅の大きさなどが、小選挙区制の大きな課題となるのでしょうが、
実際に小選挙区制の下で戦った候補者の意識からすれば、このような政治家
の意識や主張あり方の部分に一つの課題を感じました。この点も、選挙制度
を考える上ではよく言われる課題ではありますが、大政党と小政党のどちらの
候補者も経験したことで、実感として感じることができました。

 その意味からすると、私は、小選挙区制よりも、中選挙区制・大選挙区制・
比例制などの方が、多様な民意を反映できるとともに、政治家も自らの主張を
堂々と語れるのではないかと感じます。自分自身もその小選挙区制度下で議員
になった一人ではありますが、小選挙区になってから、政治家が小粒になった
と言われることもしばしばありました。その一因はこのようなところにも
あったのかもしれません。

 ただ、一方で、資金の面から見れば、私のような貧乏政治家には小選挙区制
のほうがありがたい制度でもあります。もともと選挙制度改革の折にも出て
いたのは、金のかかる選挙の見直しでもあったはずです。中選挙区時代、
五当四落なんて言葉がありました。これは、「5億円使えば当選するが、4億円では
落選だ。」という意味です。だからこそ政治家は金が掛かるので、いろんな
金権腐敗も生まれる素地になったのでしょう。こんな時代であれば、私は選挙に
出るなんてことすらできなかったでしょうが、今では、この20~40分の1もあれば
選挙に挑戦することができます。その点からすれば、小選挙区制のメリットも
間違いなくあるわけです。

 そのことも踏まえ、私も基本的には中選挙区制のほうが日本には馴染むと考えて
いますが、単に中選挙区制に戻すのではなく、金権選挙に戻さないためにも、
資金面における制度的な工夫なども含めて議論していかなければならないでしょう。

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